仏壇工房 伝 | 日記 | 伝物語004-伝の由来


2013/05/31
伝物語004-伝の由来


父の工場に勤めて一月ほどして、周りの職人さん達から少しづつですが

機械の使い方など教えてもらうようになりました。

「職人さん」 と聞くとカンナに金槌、ノミだとか持って職人ならではの技みたいなイメージがあると思いますが
 
実際は作業のほとんどを機械で行い、そういった道具は修正、組立作業などで使います。

とは言っても各作業のどれも豊富な知識と経験が必要なのでそう簡単には覚えられません

私自身も現在進行形で日々最良の方法を模索する毎日です。

これは私の哲学論みたいな感じですが、どんな物造りにも完璧は無いからです。

私が完璧と思った時点で、私の成長は終わりなんだと思っています。

特にお仏壇は木を加工して作りますが、「木」は生き物なので常に状態が変化し続けます。

今後も修業の毎日だと思いますね、お仏壇の主な製造工程もいつか紹介したいと思います。

話がそれましたが職人さん達に教わりながら木工の仕事をしていましたが

ある日別の部署に頼まれ手伝いに行きました。

そこでのお手伝いが私の職人としての天機になることになったのです。

お手伝いで言った先が塗装場だったのですが、子供のころから遊ぶ道具も無く、父が組立作業いつも

していたので塗装場にはあまり近づかなかった気がします。

当時父の工場は3階建てだったのですが、塗装場は最上階にありました。

ここからは「塗装場」の事を「仕上場」と書くことにします。

当時主な塗装はすべて外注に委託していましたのでお仏壇の各パーツは木地加工できたらトラックで

下請け業者の所で塗装してから工場に持って帰り、組立、仕上げとなっていました。

一般的には家具などもそうですが、塗装して組立て終わりですが、徳島仏壇の特徴の一つは組立後

最終に仕上げ塗装を行うところにあり、この作業を「立吹き」といいます。

ですから徳島では塗装職人以外に立吹き職人なんて言う職人さんがいます。

私が初めに職人となったのがこの立吹き職人なったのです。

立吹きの特徴は何かと言うと、例えば1つのお仏壇にはいろんな部品があります。

商品によって異なりますが、当時父の工場で製造していたのが主に突板張りの商品でした。

突板張りとは加工した木やボード(集成木材)の上に木の皮(突板)を張り付けることです。

と言ってもすべての部位に張り付けるのではなく主要部位に張り付けます。

それ以外の部分はシンコクと呼ばれる着色料を馬のタテガミで作った特殊な刷毛(はけ)

シンコク刷毛を使い木目を手で書いていた部品や、白い木に着色だけの部品等ありました。

これら部品を個々に塗装して色は合わせてますが、実際組み立てるとおもしろいもので

見る角度や木目の方向、木の個性で色が合わなかったりします。

実際は目の錯覚みたいなものですが、組立てたお仏壇の色の微調整や検査時に見つかった

傷などを補修してもう一度クリアーの塗料で仕上げるのです。

慣れるまで結構難しいですが私が今まで自分の手で仕上げたお仏壇は大体2500本くらいです。

この仕上場の職人さんが私の最初の師匠になる人でした。



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